17/05/2019

FLY、A320neoの購買オプションを取消し

FLY drops A320neo options

  課題の残る進展で、FLY Leasingは、AirAsia取引の一部として継承したいくつかの有利な条件を行使しないと選択した。AirAsia買収の当初の取引条件では、2019年以降購入するA320neo機に「付帯条件を付けない」(特定のオペレータにリースとして事前配置しない)形で、最多で20機のA320neo購入オプションが提供されていた。

当時、該当レッサーは、オプション機材が納入されるならBBAMがマーケットに出すだろうと話していたが、現市場のA320ファミリー機の人気を考慮すると、FLYの2019年の購入オプション撤回についての同社説明は非常に黙秘めいた内容だと感じられる。同レッサーの最高幹部コルム・バーリントン氏は、FLYを代弁して、「様々な理由で」2019年のオプションを行使しなかったと述べ、また、同氏は2019年以降にオプションが行使されるかどうかは不確実だと暗示したうえで、FLYは「当時のリースの成長市場」と「資金調達コスト」に基づいて「2020年以降の選択肢を評価」し最終決定が予想されたと述べている。現行機リース料の軟化は過剰生産によるものなのか、現行機に対する航空会社の嗜好によるものなのか、あるいはその両方なのかに関わらず、A320neoを選択しないというFlyの決定の根底にある理由であると結論づけざるを得ない。

 

FLY、ABSの発行体に航空機を売却

 2019年第1四半期FLY Leasingの実績は、該当レッサーが直近数カ月間に直面したリマーケティングの課題の大きさをポジティブに裏切った。FLYは、本年初におけるJet Airwaysの破綻申告時、同航空会社からFLYのボーイング737-800型3機を回収するための即時対応をした事が功を奏し、既に2機が新たなオペレーターへの移管で決まっている。Jet Airwaysのキャッシュの保証金と整備積立金は、航空機を他のキャリアに移管するために必要な費用の一部と、同航空会社による未払金や転貸するための保守関連費用を賄うために十分だろうと同レッサーは言う。FLYの他に駐機されている航空機は、Jet Airwaysからの回収が実施された後、3機は駐機予定、他の3機は依然として積極的に売り出し中である。

また、FLYは航空機を処分する市場にも出ている。同社は第1四半期に航空機を処分しており、2019年の第3四半期末までに、追加の11機を処分確定もしくは処分済みとなっている。前記の11機のうち、9機は未確認のABSに組み込まれたと報告されており、同レッサーは、ポートフォリオから追加の航空機を本年後半発行予定のABSに組み込むかもしれないと述べた。

現在までの売却による収入は、4億ドルを超えると予想され、第1四半期までの売却簿価に対して12%のプレミアムを達成したと述べた。昨年取得されたAirAsiaのポートフォリオから売却された航空機の機数は明らかではない。

同四半期における当該レッサーの活発な取引は、AirAsiaの取引の結果としてその資本構成に対するレバレッジ解消に寄与し(格付け会社にとって重要な判断)、レバレッジ率を2018年末の4.0倍から3.4倍まで低下させた。しかし、他の信用指標は、競合他社とは際立って対照的な状態を保ち続けている。例えば、FLYは、担保付き債務について、世界の最上位レッサーの中で最高比率(同社の債務負担全体の80%)を有している。それは、大部分の最上位レッサーが無担保のビジネスモデルへ組織的かつ一貫して移行してきた市場において、FLYの異端的な戦略を示すものである。融資戦略が、歴史からの先例による判断だとすると、不況の場合に再調達利用ができない恐れがある資本市場の不確実性から担保付債務の償却の距離をおくため長期視点に基づいた戦略だとFLYは主張する。

上記のいずれも、AirAsiaのポートフォリオの買い入れを営業と財務の両面でより強固な基盤に変換することにFLYが大成功を収めてきたという事実を歪曲しない。当該レッサーは、前年の第1四半期に比べて2019年の第1四半期にリース料を18%に引き上げた一方、同時に販管費含む費用を削減した。その結果、調整後純利益が前年同期比でほぼ3倍の4720万ドルに増加し、ROEはちょうど12ヵ月前の1桁台から劇的に上昇し2019年第1四半期には26%に達した

Ishkaの見解

 FLYによるAirAsiaポートフォリオの取得は、営業面と財務面の両面で同社の基盤を強化したように見える。2019年第1四半期のクレジットとエクイティの両指標は、対前年のFLYの業績向上を反映している。いくらか沈滞した期間の後に、同レッサーの取引は、そのペースが高められ、非常に満足できる売上増を実現してきた。Ishkaは、AirAsiaからの承継であるA320neo購買オプションを撤回する決定に興味をそそられたが、市場が軟化する兆候がないかモニターし続けるつもりである。

注:本記事は英語にて発行されており、日本語翻訳はあくまで参照です。

この日本語版は、読者のご理解の参考までに作成したものであり、英語版記事の補助的なものです。あくまで英語版が(正)となります旨、ご了承ください。

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