10/09/2018

香港インベスティバル(投資フェスティバル):中国の不動産投資家が航空機業界に参入

Hong Kong Investival: Chinese real estate investors explore aviation

意欲的な中国の機関投資家が集まる香港では、投資家が代替資産クラスを形成するために航空機など動産の投資機会をうかがっている。

 

ある中国人投資家がIshkaに話したところによると、不動産は国家の介入に対して「敏感に反応する」ため、航空機業界への資本流入が増大しているとのこと。航空機リースについて理解を深める中国人投資家は増加しており、予想収益についての評価も行われている。

 

これまで、航空機信用に基づいて香港で発行された債券は、ほとんどが無担保債か非公募債だった。中国人投資家は、長きにわたって香港で無担保債を発行してきた中国の大規模な航空機レッサーを選好しており、精通もしている。融資需要は高まりを見せているが、BOCアビエーション社などの現地発行体は、米国の資本市場でより深い流動性プールにアクセスするために144a債を発行しているケースもある。

 

CALC社のABSと仕組み商品の可能性

 

例外の1つとしては、1月にChina Aircraft Leasing CompanyCALC)社が上海証券取引所で発行した航空機ABS(資産担保証券)がある。CALC社は17,133万ドルのABSを発行したが、おそらくアジアで初めて発行された「純粋な」航空機ABSで、レッサーが管理する航空機リースのポートフォリオによって裏付けされた証券化である。

 

Ishkaが入手した情報では、中国のレッサー2社が以前に航空機の証券化を試みているが、CALC社の取引は、その規模と文書化が、米国で発行される航空機ABSに類似している。CALC社の取引は香港の航空機を活用するという点で革新的であり、上海証券取引所にとっても外貨建ての債券商品を扱った最初のケースとなった。中国人投資家がかなりの興味を示していたが、メザニン階層にあるBまたはCタイプで発行される商品(特に航空機)にアクセスする機会はめったに得られないと金融業者は話す。CALC社の取引は、まさに初めてのものであり、「先駆者」として商品の魅力を証明している。

 

ABSの証券化取引は、米国であろうと中国であろうと、中国人投資家は自然にフィットすると思われる。中国人投資家の多くは、5%(理想的には68%)を超え、取引期間がおよそ57年のアンレバードリターンを求めている。しかし、米国のABS取引は通常2日以内に価格付けされるため、中国人バイヤーは時間内に米ドル投資の承認を得るのに苦労しており、取引を逃してしまうこともしばしばある。

 

CALC社によるABS取引の反応は上々だが、CALC社が2回目の取引を行うのは「かなり先のこと」になるため、投資家は中国のレッサーが今年中にABS取引を行うことは期待しないほうがいいと金融業者は警鐘を鳴らす。

 

Ishkaの見解

 

中国人投資家、特に不動産の代替商品を探している投資家は航空機分野に興味を示しているが、いくつかの困難も伴っている。おそらく、最大の障害は強力な競合商品の存在だろう。極端な緩和を進める現地の銀行市場が存在するということは、銀行融資(無担保でも)を容易かつ低コストで受けることができるため、多くの潜在的な発行体が単に現地の資本市場を敬遠したことを意味している。これは、将来的な発行数が減少する一因になるだろう。

 

中国人投資家は、リターンが良いためメザニン階層の債券商品を選好するが、投資家の多くは名の知れた現地の投資先と無担保取引をすることを好む。多くの投資家にとって最大の障害は、航空機分野がドル建てで取引される点である。通貨スワップを導入するための外国為替コストを無視したとしても、多くの中国人投資家は米ドルで投資するために時間内に承認を得ることに苦労している。CALC社の取引は革新的であり、市場も歓迎すべきものであるが、香港で航空機ABSの発行が浸透するには時間がかかる可能性があると金融業者は警告する。

 

注:本記事は英語にて発行されており、日本語翻訳はあくまで参照です。

この日本語版は、読者のご理解の参考までに作成したものであり、英語版記事の補助的なものです。あくまで英語版が(正)となります旨、ご了承ください。

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