17/05/2018

リース航空機の落ち込むROE

 Equity returns squeezed for leased aircraft

  レッサーと投資家は、リース航空機のROEが資産に対する競争激化のため過去12ヶ月間で更に落ち込んだとIshkaに伝えた。

 

情報源によれば、平均的に新造でリースされるナローボディ機のROEは耐用年数が中期の航空機(8年~12年の機齢)は約5%から7%に近い値。また耐用年数を経た機材については10%未満であるという。

 

「いずれのケースでも一般的な落ち込みはあるから、プライシングにおいて辻褄が合わない事例はもちろんあるよ。」と、リース航空機購入価格の上昇について、ある航空業界のファンドマネージャーは断言する。「分別あるレートで資産を購入することが困難であると皆わかっているはず、つまり一人残らずわかっているはずだ」とコメントした。

 

リースナローボディ機ROEの現状は?

過去12カ月間にわたり、リース料が低下したことは投資家及びレッサーの調査で一致している。特に多くの新造機に対するSLBのリース料は0.6以下まで低下。投資家によると、多くのケースで0.6%未満のリース料率により投資家のリターンが1桁中間値まで下げられている。

 

しかし、レッサーと投資家はリターン低下の範囲(即ち厳しさ)の程度について、お互いの意見に食い違いがあるとしている。数人の投資家によれば、一部のレッサーは0.7を超えるリース料率で依然とチャージできており、またリターンは与信次第でIshkaが注目している標準のROEを超え得る。しかし、リースされるナローボディ機は、競争と航空会社からの需要により、特に調達難が継続しているという意見の一致はあるようようだ。

 

「現時点において、neo、ceoにかかわらず、A320やA320エンジンの入手は極めて困難だ。」と一人のレッサーは明言する。引き合い多数で、だだ単に存在しないも同然と言える。

 

ワイドボディの投資家もそのような落ち込みを感じているのか?

 

 レッサーによれば、単通路型航空機のROE悪化は双通路型航空機に影響を与えているという。投資家によると、広胴機のROEは狭胴機の資産より一般的に依然と0.5%~1%高いが、過去12ヶ月間に低下した。

 

「現在使用されている旧式の広胴機(A330や777)の多くは、今もなお与信が良好な相手先にリースされており、これらの航空機が少し高めのリターン設定でリースされ、大量の現金を生み出すことで、ABSポートフォリオの数字の見栄えを良くしている。そのため、ABS投資家の間ではなかなかの需要がある。」と、双通路中古機に関連するリターンの下落を昨年経験した一人のレッサーは説明した。

 

Ishkaの見解

 リース航空機の投資家に対するリターンは1年前よりも下落し、新規のレッサーおよび投資家による競争がその主な理由であると思われる。

スワップレートの上昇がリターンを下げている事例もあり、サプライチェーンの問題も一部の航空機種に対する需要に影響を与えている。しかし、Ishka調査の初期段階の兆候によれば、航空業界への資本流入が広範囲に及び、全ての機種でないにしろ、リース商用機材の流動性がある機種に関しては、ほぼどの世代に対してもリターンの落ち込みが見られた。

リターンが更に低下すれば、投資家はより良いリターンを求めてこの分野から離脱し始めるだろうか? 航空業界のファイナンス市場も同一見解のようだ。最近のISTAT会議において、聴衆の過半数は、新規の投資家がこの分野から最終的に離脱すると考えていた。(新規の自己資本が普及するのか?)。しかし、今日までこれが現実になっているという証拠はほとんどない。今週前半に発行されたレポートでは(GECASのポートフォリオ販売は、航空機の流通市場が好調であると発表 )、リース航空機の中古市場は2018年の第1四半期において非常に堅調な状態を維持している。

 

一部のファンドマネージャーによれば、投資家はインフラやドライバルク船舶においてリターンの増加を求めており、航空業界から離脱中であると示唆しているが、Ishkaが聞いた情報では、多数の新規投資家がこの市場に参入しており、もし離脱したとしても比較的少数であろう。

 

 

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