10/07/2018

北米の航空会社は収益持続の一方、燃料と労働コストの上昇が営業利益に打撃

North American carriers yields hold up but rising fuel and labour costs hit operating profits

Ishkaは、より高い原油価格と労働コストによるインフレ圧力の観点から北米の航空会社の営業利益率について調査した。2年連続最高益となった航空会社は、いくつかの重要な向かい風とインフレ圧力の状況下で2018年に突入。2017年後半以降、原油価格が上昇を続けており、大多数の航空会社にとって新規雇用は、従業員コスト上昇を意味する。更に一部の主要経済大国間の険悪な貿易関係は経済成長を混乱させる恐れがある。Ishkaは、変動する状況の観点から、2018年同期の北米全体の主要航空会社業績が2017年第1四半期と比較しどのように推移しているかを理解すべく検証する

 

経営上の観点から、航空会社に対するデータは、2017年第1四半期と比べ2018年同期はより高い原油価格と労働コストを調節したため、多少の緊縮を示唆している。より厳しい冬(特に2017年に比べて2018年北東アメリカにおける冬)が第1四半期に向けての課題を更に厳しいものにした。

 

最も大きい下落の中に、Alaska航空が存在する(2017年に比べて2018年の第1四半期は著しく景気が悪化)。Virginとの統合が進捗するにつれ、この航空会社の統合関連費用と他費用全般が増加し、収益の低下と相まって営業利益も縮小。

Air Canadaは同年第1四半期において、より安定した収入の実績から恩恵を受けているようだ。その結果、燃料費の急増にもかかわらず、この航空会社は2018年第1四半期に営業損失を縮小し(対前年比ベース)、また米ドル支出を抑えたカナダドル高の好都合な影響を享受した。

 

上表の大部分の航空会社は、第1四半期に営業利益率を下げた要因となる原油価格や労働コストの上昇によるインフレ圧力に対処しなければならなかった。主要北米航空会社の肯定的な面として、2018年第1四半期までのイールドは引き続き上昇し、対前年比での改善を記録。例外として一部のLCC ULCCがあるにしろ、全般的に北米エアラインの収益は改善した。

 

 

航空会社収益に関するIshkaのレポート(北米の航空会社について航空会社の収益は回復しているか?)で以前強調したように、カナダの航空会社は経済状態の復活及び収益率がより高い国内・乗り継ぎ需要の増大を背景に、堅調な単位収入実績を享受している。

 

一方、米国ネットワーク航空会社のポジティブなイールドは根強い需要とヨーロッパ、中南米および太平洋路線における航空会社間の提携関係の結果と考える。

 

しかし、料金体系の下端では、価格設定環境は非常に過当競争であり、Southwest AirlineSpirit Airline両社の収益は料金戦争が原因で圧力を受けている。

 

収益に一層下落の圧力を加える多くの他要因に、Southwestも対処し続けなければならなかったようだ。この航空会社は、昨年旧式ボーイング737300機の引退による航空機の一時的な不足で、正常なスケジュールを運行することができなかった。Southwestの収益は、正常なスケジュールが回復するまで圧力を受け続けるであろう。

また、この航空会社が起こした1380便の事故が飛行機予約に軟性を与え、収益回復に圧力を加えている。

 

Ishkaの見解 

航空会社における2つの主要な費用分野の上昇傾向は、2018年第1四半期の航空会社の営業利益率に予想通り悪影響を及ぼした。しかし、その損失は収益の手堅い回復によって制限されたように見える。例外はあるが、大多数の北米航空会社の収益は増加しており、今後の四半期は測定基準全体にわたり一層の改善が見込めるはずであろう。しかし、問題は、それがインフレ圧力をカバーするのに十分であるかということだ。夏季の数ヶ月は需要が更に高まり天候関連の混乱は少ない可能性が高く、向こう数ヶ月間においては営業利益率の回復に好都合な状況が継続すると思われる。

注:本記事は英語にて発行されており、日本語翻訳はあくまで参照です。

この日本語版は、読者のご理解の参考までに作成したものであり、英語版記事の補助的なものです。あくまで英語版が(正)となります旨、ご了承ください。

 

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