Wizz社「非常に強気の」RFPでレッサーを試す
ウィズエアー社(ウィズ社)が最新のRFPでレッサーの限界を試している。複数の市場関係者によると、ハンガリーの格安航空会社であるウィズ社が、10機のエアバスA321neoについてRFPを提出した。Ishkaが入手した情報では、ウィズ社はユーロ建てでのリースを希望しており、メンテナンスリザーブを含む提案は不要とのことである。同社は9~12年のリース契約(期間固定または変動)を申し出ている。
市場関係者によると、セールアンドリースバックの市場は引き続き堅調であり、特にエアバスA321neoなど新型の航空機は需要が高く、今回の入札も激しい競争となっている。現在、セールアンドリースバックに関するほぼすべてのRFPには40から50の入札があるとレッサーは話す。現在、ウィズ社は入札者の評価段階にあると思われるが、入札済みの会社に対して、最終候補者に残るためにはリース料率(LRF)を0.5以下にする必要がある旨の文書を送付している。
先月、入札に参加するレッサーに対してウィズ社が指摘をしたことについて、「非常に驚いた」と関係者は話す。別の関係者もウィズ社の対応について、「非常に強気だ」と語り、「このような契約では利益を上げることができない」と付け加えた。関係者によれば、すでに数社がRFPの提出を辞退したが、引き続き参加している会社も残っているとのことだ。
Ishkaはウィズ社に接触を試みたが、回答はなかった。
ウィズ社が求める0.5以下のLRFとは?
ウィズ社はレッサーに対してLRFを0.5以下に抑えるよう求めているが、現実的に可能なのだろうか?最近のセールアンドリースバックの傾向を見ると、ウィズ社はレッサーに対して現在の市場での料率を下回る数字を求めていることが分かる。Ishkaが6月に開催したダブリン航空ファイナンスイベントでは、セールアンドリースバックのリース料率は0.60~0.64と回答しているレッサーが多数を占めた(57%)。しかし、レッサーによると、過去6カ月にTier1キャリアが契約したエアバスA320neoやボーイング737MAXなどのRFP案件のリース料率は0.57~0.58だった。
「新技術を採用したナローボディ機は、LRFが0.55に近づいているというのが市場の共通認識」とヨーロッパのレッサーは話す。「ウィズ社に対して憤りを感じている人もいる。同社のRFPには40~50社の参加があったが、日本のレッサーはすべて途中で辞退したそうだ」と氏は付け加えた。
ウィズ社が提出した最新のRFPは、ここ数年で市場が急激にシフトしている状況を表している。関係者によると、2015年にも同じような条件でエアバスのRFPが提出されたが、リース料率は0.70~0.74、提示価格は「4,000万ドル」だった。
出典:Ishkaダブリン航空ファイナンスイベント
Ishkaの見解
ウィズ社は、新技術を採用したナローボディ機のセールアンドリースバックについて、LRFの水準を低くするようレッサーに求めている。本来、セールアンドリースバックのリース料率はレッサーごとに異なるものである。しかし、セールアンドリースバック市場では同様の傾向が続いて条件も徐々に厳しくなってきており、航空会社もその点に気づき始めている。ウィズ社のように輸送キャパシティが大きいキャリアの多くは、今年のRFPの動向ではなく、昨年に自社のRFPで採用したリース料率を参照している。実際にウィズ社は0.5以下のLRFを提示されたのだろうか?RFPのプロセスが終了するまでは不明だが、大多数のレッサーにとっては0.5が最低ラインであり、0.5以下になると投資リターンを確保することが難しくなる。ウィズ社がレッサーに求めた条件をクリアできない航空会社もあり、現実には0.6以下のリース料率も経営が好調なキャリアのみが可能な数字だと思われる。しかし、0.5以下のLRFで契約することができなくても、セールアンドリースバック市場のレッサー40社からLRFの限界値を引き出したことはウィズ社にとってプラスと言えるだろう。
注:本記事は英語にて発行されており、日本語翻訳はあくまで参照です。
この日本語版は、読者のご理解の参考までに作成したものであり、英語版記事の補助的なものです。あくまで英語版が(正)となります旨、ご了承ください。
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