11/11/2020

ALC Q3: No PBH“パンデミック”

ALC Q3: No PBH ‘pandemic’ as lessor hits record-high liquidity

注:本記事は英語にて発行されており、日本語翻訳はあくまで参照です。

読者のご理解の参考までに作成したものであり、英語版記事の補助的なものであるため、あくまで英語版が(正)となります旨、ご了承ください。

注: 表やチャートは原文の英語サイトをご覧ください。

 ALC会長のSteven Udvar-Hazy氏は、第三四半期の決算発表で、航空会社からの要請によるPBH(power-by-the-hour)は、「パンデミック」に起こっていないとアナリストに語った。

ALC幹部は、航空産業にとって厳しい冬になると予想していたが、厳しい冬到来前に、リース延滞要請が鈍化してきたため、今期は流動性確保に焦点を合わせ活動した。

第三四半期の収益は低下しているものの、レッサーの流動性資産は60億ドルのリボルバーに加えて、8月に2.875%の“オポテュニズム”な7億ドルの無担保シニア債を発行したことで、記録的な72億ドルとなっている。

同時にまた、レッサーは、セール&リースバックを控え、PBH契約を「回避するため骨を折った」と述べ、CEO John Plueger氏は、それらの活動は、航空会社にとって危機を乗り換えるための一時的なサポートにしかならないと語った。以前、Ishkaと話した際、同社は、PBH契約に急いて同意した際の公平性について懸念を表している。(アーカイブ:‘Lessors worry airlines will impose ‘abusive’ PBH contracts’)

ALCは、そのため、「航空会社がレッサーとどのように付き合うか」引き続き目を光らせていると、同氏は述べた。

 無担保債券市場を活用することに加えて、資本支出を抑えることは、同社の流動性を高めることに貢献した。ALCは、2020年に計画されていた機材の投資支出を60億ドルから25億ドルに削減し、四半期に計画していた機材の半分未満、つまり簿価で13億ドルに対して6億ドルの機材を受け取った、同社はまた、これまでに19件のMaxをキャンセル、一部のPDPは現金または引き渡し時の繰越高に転換した。

 簿価の上での機材の成長率は概して低いままである。ALC幹部は、直面するSLB案件が、同社ポートフォリオの平均利回りと比較して、機材の品質もしくは利回りの点で不十分であると示唆する。2021年引き渡し予定の機材からSLB取引を数件検討中である。同社によると、A220-300型機とA321neoへの関心が高まっている一方で、中古のワイドボディは“かなりのプレッシャー”にさらされている。貨物市場に対する現在の相対的な回復力にもかかわらずALCは貨物専用機への投資は控えるべきだと述べた。

 

Q3ではリース料延滞の要請は鈍化するも、Q4にウォッチ

 

 ALCは、第三四半期に86%、今日までの年度累計で89%の現金回収を記録した。借り手の58%は“アコモデーション”を持っており、延滞は現在の同社の流動性資金の3%に相当する。これまでにリース料の延滞は、30%(6000万ドル)が返済されたが、同社は当期に増分の延滞料1160万ドルを承諾した。同社の当期オペレーティングリースの収益は、4億6800万ドルで、Q2より5.9%減少した。現在リース料延滞要請の第二ラウンドとなるが、“限られた”要求のみが受け入れられているとPleiger氏は述べている。しかし、Hazy氏は、冬を通して、追加の要請が来る可能性は高いと付け加えた。

ALCフリートの6.6%を占めるレッシーは、大部分が再組織化の真っ只中であり、関連するリース債権がセキュリティパッケージを越えたため、同社の帳簿で現金主義会計に転換された。「そのため、我々の徴収能力は、もはや合理的に安心できない」と、スミス氏は語る。「経営環境の不確実性を考えると、これが今後どのように推移していくか予測することは困難である。」と。今期末現在、5社の航空会社における19機のALC機材が何らかの形で支払い不能におちいっており、そのための手続き中である。

 

適者が生存する

 

 航空会社は、需要不足の状態が続いてる。Hazy氏が言うところの「任意の」の旅行制限により困難な状況に立たされているためだ。航空会社間では「自然淘汰の進行が起こっている」とPlueger氏。「我々の仕事はサバイバーを選択することであり」、また「復活する兆候がない南アフリカン航空とエアインディアから機材の回収をすることを決定した」とPlueger氏は指摘した。

より厳しさが増すとして、ALC幹部は、これからの厳しい冬を“生き残るため”に政府の救済支援がわずかでも再開することを期待する。「しかし既に大規模な支援は行われている」とHazy氏は言う。同氏は、懸念する国について言及し、例えばベトナムは、支援が最小限で、しかも各航空会社にそれらが振り分けられてしまっていること、ポーランドやチェコのような国は援助の進みが遅いことに懸念を示した。

代わりに、パンデミックはレッサーを発展させたとALCは主張する。Hazy氏は、トップ層に位置するレッサーと航空会社の流動性資金と信用格付けの違いを強調する。ALCの資金調達コストは約3%であるが、トップクレジットの航空会社はしばしば“その二倍以上”となる。「政府や銀行と協力し資金調達をする際に、航空会社は最も価値ある資産を抵当権や質権に差し入れる必要があり、その結果、将来使用するはずの借入能力を使い果たしてしまっている」と言う。

「弊社は航空会社にさらなる流動性圧力がかかると予想しており、付加的な破綻、リストラクチャリング、延滞要請につながる可能性が高い」とPlueger氏はアナリストに語った。「回復のタイミングは、クリスタルボールにゆだねるしかない」。

 

Iskaの見解

 ALCは流動性資金を倍増させ、債券市場での“オプティミズム”を果たし、前年比でのキャッシュポジションは3倍に増えた。同時に、同社は機材投資、特にセール&リースバックを控えた。パンデミックにより発生した多くのセール&リースバックは、航空会社の資金確保の必要性から行われてきた。その波及効果は、ALCが示唆するように同社のように若い機齢のフリートにビジネスの焦点を合わせているレッサーにとって、それらの活動からオファーされる機材は、大手レッサーにとって好んで引き受けられる機材と常に一致するとは限らない。

同社はPBH契約について懸念を問い続けているが、これは何とかしようとする航空会社の資金確保のラストリゾートとなる手段である。ALCが特定のリース収益を発生主義から現金主義に変更する動きは、より広範な市場の不安と航空会社に対する信用不安の表れである。

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