15/11/2021

「航空機のリース料回復はナローボディが牽引」レッサー3社のCEOが回答

Lessor CEOs: Narrowbodies lead lease rate recovery

この日本語版は、読者のご理解の参考までに作成したものであり、英語版記事の補助的なものであるため、英語版が(正)となります旨、ご了承ください。

Ishkaは直近の決算発表で、エアキャップ、エアキャッスル、エアリースコーポレーションが提起した市場の主要な懸念事項をレビューする。

主要なポイントには、リース料延滞、航空機の価値とリース料、セカンダリー市場が含まれる。

 

リース料の回復にナローボディが牽引、2022年初頭にはPBHも落ち着く

 

リース会社の最高経営責任者は、需要増加による単通路型機材のリース料と機材価値の回復状況について、また同様に投資家がリース機材の取得を模索していることによるセカンダリー市場の回復を示唆した。

エアキャップCEOであるAengus Kelly氏、ALCのCEO John Plueger氏の両者は、エアバスA320neo/A321neoのリース料がパンデミック前のレベルを上回り、ボーイング737Maxのリース料も2019年のレベルに“順調に上昇”していることから、リース料の回復はナローボディ機によって牽引されていると一致。Kelly氏は、ボーイング787の機材価値も改善されているとコメント。しかし、エアキャッスルのCEOであるMichael Inglese氏は、ワイドボディの価値は2023年もしくは2024年まで“落ち込んだ”ままである可能性があると警告した。

エアキャップのCFO Peter Juhas氏は、「時間単位(PBH)のリース料について取り上げ、この手法がいつ頃を目途に終わるのかについて次のように述べている。「PBHはリースのスタート時に始まっており、それらの取り決めから外れる航空会社を今後、見ることになると思います。PBHには期間があり、通常の月間リース料に切り替わっていくでしょう。多くは、2022年初頭に起こり始めると思われます。」

 

現在の機材価値回復に向けて:

Aengus Kelly氏(エアキャップCEO)

「ボーイング737Max8が戻ってきました。これは朗報です。エアバスA320、現時点では、ボーイング737そしてボーイング787もわれわれは確実に見ることができます。今年の初めにかけて、資産価値が大幅に回復したことを我々は認識しており、それは疑いの余地がありません。実際に売買価格からも、それは認識できます。」

John Plueger氏(ALCのCEO):

「ナローボディの需要はエアバス、ボーイング両社の機材、特にエアバスA320とA321neoファミリー(A321neoLRとXLR含む)で強いことを強調します。重要なのは、ボーイング737Maxも市場で順調に回復しており、リース料は9カ月から12カ月前の安値から着実に上がり、最近の737-9Maxの勢いは強い。またA220も加速し、導入される勢いが増しています。肝心なのは、これらすべての新しい機材タイプでリース料が上昇しているということです。また新しい双通路型のリース料も需要増により上昇しています。」

 

どのリース会社でもリース料延滞要請は起こっている・・・この時点においては

 

上述の3社すべてが、前期と比較して、今期では、航空会社からのリース料延滞の要求が少ないと報告。コロナ禍において、航空会社からのリース料延滞要請は、一般的なこととなっていたが、空の旅の需要回復にあわせ、この2四半期にわたっては減少。

エアキャッスルのCEO Aaron Dahlke氏によると、リース会社は、支払いの調整と引き換える代償として、長期リースへ修正したり、“貴重な考慮次項”を受け入れたりしていると述べた。ALCのCFOであるGregory Willis氏は、追加の延滞要請(Payment accommodation)を受け入れるレッサーの意欲は“継続して減少”していると強調したが、深刻な影響を受けた地域の航空会社ではさらなるリストラによる延滞要請の可能性もあることを懸念していると同意。

Michael Inglese氏(エアキャッスルCEO)は、アジアの航空会社が求める延滞要請の将来的な潜在性について次のように述べている。

「東南アジアでは各国によっての地域差が非常に大きい。そして、今後さらなるリストラが起こったとしても驚くべきことではありません。従って、短期的にはさらに多くの延滞要請があかもしれませんが、長期的には、活動は回復するでしょう。しかし一部の地域で起こるリストラ、延滞要請活動に対し、我々の方針によって乗り越えるために継続していくでしょう。

 

 Ishkaの見解

 

レッサーは、業績発表で新型機材への関心を強調することがよくある。しかし、歴史的に中古機へ主に焦点を当ててきたレッサーであるエアキャッスルが、セカンダリー市場から短期的に若年の航空機を購入する計画を示したことは、非常に興味深い。

Aengus Kelly氏は、エアキャップの機材を2024年までに75%の新型機材で構成すると述べ、ALCエグゼクティブチェアマンであるSteve Hazy氏は、同社において、最も “人気があり望ましい”単通路型機に“より重点を置く”と述べた。

早速、今週、ALCが111機の新型機種エアバス機発注の基本合意書(LOI)に署名したことは目新しい。ALCとエアバスは、この発注が、新しいESGファンドのイニシアティブの一部であり、“持続可能な航空開発プロジェクトへの投資”に貢献し、他のリース会社へも開かれていくであろうと発表している。

Hazy氏は、ジェット燃料のコスト上昇と燃費効率の低い航空機の空港着陸料の増加により、航空会社は機材を迅速にモダンなものに交代する傾向になっているが、少なくとも、ESGがこの傾向を推進する可能性があることも示唆。Inglese氏は、「ESGは、航空会社や業界に、より多くの新型機を可能な限り迅速に導入するよう圧力をかけるような対抗力となるだろう」とコメントを追加している。

エアキャッスル、ALC、エアキャップのレッサー3社は、近い将来、航空機を売却する計画を示した。これは、2022年に強固な機材取引が確実に開始される可能性が高いことを示している。セカンダリー市場において、来年、現行機vs新型機がレッサーによりどれだけ取引されるのか興味深い。

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