SLBを追うCastlelakeの新しい格付けリースファンド

米国のアセットマネージャーCastlelakeは、先週、新しい格付けがついたリース子会社であるCastlelake Aviation Limited (以下CA)を立ち上げた。格付け会社フィッチによると、“最新鋭”機材を主に取り扱い、セールアンドリースバック市場でアクティブプレイヤーとして活動することが期待される。

市場関係者によると、格付けされた子会社は、レッサーがより安価なリコースデッドと資本市場から無担保資金を調達することをサポートするために作られた子会社。ＣＡは、S&PによってBB-、ムーディーズBa3、クロールBB+の格付け。

当社の理解では、別のCastlelake子会社によって管理されると思われるCAが、レッサーが保有する既存の２つのファンドから７１機を取得。同社は、Castlelakeのファンドから調達した１億ドルの自己資本を有しており、さらに資金を得るため有担および無担がミックスされた債券を発行した。

CAの機材基準は親会社とは著しく異なる。クロールによると、CAの最初となるポートフォリオ71機の機材構成は、加重平均機齢が5.7年、平均残存リース期間は10年。対象的に、Castlelakeが管理する352機の平均機齢は、2020年6月時点で約12年。フィッチによると、同社ポートフォリオ構成機材の約65％はナローボディ機、58％がティア1と言われる優良レッシ―で構成されている。

 

新レッサーSLBを追う

この新規レッサーは、Castlelake Aviation One DACによって発行される11億8000万ドルの5年シニア担保付タームローンBで市場に参入している。ブルームバーグは、新タームローンBファシリティの価格は、L＋２７５－３００の間であると報告しており、今週、取引が成立する可能性が高い。また、７億５千万ドルのシニア担保付リボルビングファシリティも調達されている。

ムーディーズによると、同社は、当初、担保付資金調達に依存傾向であったが、より無担保での調達にシフトする計画があるようだ。

CAの成長は、Castlelakeの航空機リース取引の既存の短期パイプラインによってサポートされている。これには、主に新鋭機資産に対する２０億ドルを超える潜在的な投資に相当する４０機超の“積極的な”な交渉が含まれる。

格付け機関フィッチは、レッサーの“積極的な成長戦略”は、セールアンドリースバックに“焦点”を合わせており、2022年および2023年には、平均資産で約2％の税引き前利益を生み出す予想だと述べている。

格付け機関は、信用力において、いくつかのポジティブ傾向を強調。残リース期間が長いこと、また、航空機アセットマネージャーとしてのCastlelakeの実績を含む。

 

ただし、格付け機関はまた、懸念も強調。フィッチとムーディーズはどちらも、所有と管理の両方を行っている大規模なリース事業体を持つアセットマネージャーの潜在的な利益相反 を浮き彫りにしている。さらに、ムーディーズは、マレーシア航空とエアアジアベルハッドがCA機材の3分の１を占めていることも懸念事項として強調した。

 

Ishkaの見解
 

Castlelakeは、資本市場へのアクセスを容易にするため、新しい格付けのリース事業体を作った。そのため、専門的なストラクチャーの専門分野に乗り出した。新しい事業体は、Castlelakeの戦略的オプションを担い、同社が引き続きABS市場向けに中古機を購入するためのウェアハウジングを可能にしている。しかしまた、他の資金源へアクセスを可能にすることは、セールアンドリースバック市場での競争力を高め、新しい機材スペースへの参入も可能にする。新しいリース事業体は、Castlelakeが最終的に無担保で資本市場にアクセスできるようにするための最初の重要なステップである。

取引市場でのリターンがタイトになるにつれて、投資家のリターンを高めるために、より安価な資金を調達するための能力が不可欠になってくる。この９カ月間で競争が大幅に激化したセールアンドリースバック市場が特に当てはまり、Castlelakeのタイミングは非常に絶妙であると思われる。確定利付市場は非常に堅調であり、CAのタームローンBは、浅薄なCLO市場から暖かく歓迎されたおかげで、堅い価格となる可能性がある。Castlelakeが無担保債券を発行することを選択した場合、Castlelakeにとっては良い兆候である。

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