22/03/2021

リース会社2020年の減損計上ほぼ5倍

Lessor aircraft impairments up nearly five-fold in 2020

注:本記事は英語にて発行されており、日本語翻訳はあくまで参照です。

Ishkaはリース会社16社の決算資料を分析した結果、2019年に彼らが計上した合計の減損損失4億6100万ドルが、2020年は485%跳ね上がり合計27億ドルであったことを確認した。

リース会社各社は、最終的に新型コロナのパンデミックに起因する様々な理由により、リースしている機材の減損を余儀なくさせられている。主要ないくつかのリース会社は、レッシーである航空会社が破産保護の適用を申請し、航空機を返却するか、再建を通じたリース料引き下げの状況に直面している。(詳細は、Ishka’s ‘Restructuring Watch’ series of Insights)また、他の航空会社は、予定のリース期間終了前に航空機を貸し手に返却している。これにより、帳簿上の航空機価格が低下し、リマーケティング課題も残った状態である。利用可能な航空機が突出していること、また運航削減を余儀なくさせられている多くの航空会社の存在も相まって、航空機の残存価値に大きな影響を及ぼしている。Ishkaのアナリストチームは、一部のオフリース航空機の価値がパンデミック開始以来3分の1下がったものもあると報告した。

 

 

多くのリース会社の減損要因は古いワイドボディ型機 

 

過去12カ月間における最大の減損処理は、古いワイドボディ型機に関連する。一例として、2020年に、エアキャップは10億9000万ドルの減損損失を記録した。これは主に現行テクノロジーであるA330型と777型機に関連しており、Ishkaが調査した貸手の中で最大であった。同社CFOであるPete Juhas氏は、2020年第三四半期の決算発表で、A330と777の「(リース賃料が)恒久的に引き下げられた」と述べたが、前回の決算発表では、「さらに大幅な減損」は予想していなかったとコメント。

一方で、近々エアキャップと 統合するGEのリースユニットであるGECASは、2019年の7,400万ドルから2020年には5億4200万ドルの資産の減損を記録。GECASの「古いリージョナル機」が、正味簿価で会社のポートフォリオの5%を占めており、“潜在的な”将来の減損リスクがあるかもしれないことに格付け会社Fitchは注意喚起している。

シンガポールを拠点とするリース会社BOCアビエーションは、2020年に1億900万ドルの減損を計上。過去3年間の平均400万ドルから増加した。同社CFO Steve Townend氏は、これは「主にワイドボディ型機が起因している」と語った。

これとは別に、中古機に焦点を当てたリース会社のエアキャッスルは、2020年11月30日までの9カ月間で「13機のナローボディと5機のワイドボディ」に関連する3億ドルの減損を発表。これは、過去3年間の平均値2900万ドルから934%の増加であり、さらにもう一期分の数値が新たに追加される予定である。

 

機材の早期返却が減損の引き金

 

アイルランドを拠点とするリース会社フライリーシングは、2020年に1億1500万ドル の減損を記録し、過去3年間平均の700万ドルから増加。この引き金になっているのはフィリピン航空であるとIshkaは理解している。「レッシーによって早期に返却される」と予想される2機は、機齢7年のA330-300である。これは「かなりの金額となる1億600万ドル」の減損が含まれる。

Avationは2020年に8000万ドルの減損損失を記録し、そのうち1890万ドルは早期に返却されるヴァージンオーストラリアの11機ATRとFokker-F100の2機。また以前トーマスクックにリースされていたA321の2機に関連する950万ドルの減損もある。4700万ドルの減損処理は、「公式または非公式の再建プロセス」の対象となっている(または対象であった)フィリピン航空、ヴァージンオーストラリア、およびBraathensにリースされた航空機に関するものであった。

 

クライシス(Crisis)とは、減損処理に対する航空機資産が広い範囲で脆弱であることを意味する

 

全ての減損処理がワイドボディ型機に関連しているわけではないことに注意が必要である。軟調な民間航空機市場は、実質、全ての航空機資産の残存価値に影響を与えている。リージョナル航空機の貸し手であるChorusAviationは、2020年に5500万ドルの減損を記録し、4年ぶりに損失を計上した。同社はリース終了に起因する13機のオフリース機の転貸を積極的に行っており、それにより2020年に減損を計上する結果となった。同様に世界最大のリージョナル航空機の貸し手であるノルディックアビエーションキャピタル(NAC)は、過去3年間の平均300万ドルから2020年には5800万ドルに減損が膨らんだ。NACは直近、チャプター11の可能性もしくは他のオプションを模索していると発表している。(詳細は、Insight: ‘NAC founder explores takeover as lessor faces new restructuring options)

一方、Fortress Transportation and Infrastructure (FTAI)は、2020年に「31機以上の航空機とエンジン」で3400万ドルの減損を記録。過去3年間の平均200万ドルから増加。FTAIのCEO Joseph Adams氏は、「これら特定の資産が、このサイクルで最も低い価値になると予想されるレベルまで評価減することを選択した」とコメントしている。

例として、直近Ishkaリポート(see Insight: ‘A look at 5-year old aircraft values, Airbus' loss, Chorus' results and the Mexican 737 auction)を参照。ここでは5年ビンテージ機材価値を示す。ターボプロップ、WBの777、A320ceoおよび737-800を含む混合機材で、2020年1月からオフリース機材の価値は、平均23%の下落、またリース料は31%の落ち込みとなった。

 

一部リース会社は減損処理で転落

 

 すべてのリース会社で減損処理を行っているわけではない。SMBC Aviation Capital (SMBC), Aviation Capital Group (ACG), Pembroke Aircraft Leasing (Pembroke)は、2020年に2019年よりも低い数値を計上している。SMBCは、2020年に1900万ドルの減損損失を計上し、過去3年間の平均2800万ドルから減少している。ACGは、過去3年間の平均1億2,200万ドルから減少し、8400万ドルを計上。Pembrokeも、また、過去3年間平均の1億4000万ドルと比較して、2020年には1億3200万ドルの減損計上となった。

レッサー3社はすべて、ナローボディ機、主に737型機とA320型機に焦点を当てており、ワイドボディ機はわずかである。

エアリースコーポレーション(ALC)は、過去4年間、減損計上の記録はない。直近の決算発表では、CEOのPluger氏は、所有機体の平均機齢が約4年であることを考えると驚くことではないとコメントしている。

 

Ishkaの見解

 

航空機リース業界において減損処理を行うことは、かなり日常的なことである。しかし直近の減損損失の規模は、コロナ危機が一般的に航空機の価値に与えている影響を浮き彫りにしている。例えば、IAGとルフトハンザは、2020年に合計27億5000万ドルの減損を報告した。これは主に、IAGの退役および保管された機材、またルフトハンザの「4つのエンジン搭載機材」に関連する。

2020年は多くの航空会社にとって困難な年であり、当然のことながら、航空機を早期にリース会社に返却することを選択することができた航空会社によって減損をもたらした。Ishkaのアナリストチームの調査によると、多くの資産の残価価値は引き続き低下している。その結果、破綻または早期の機材返却から航空機を受け取らなければならない貸し手は、特に古い双通路型機で、リース無しでの機材価値が劇的に落ち込んだ。

2020年のリース会社による減損処理の主な要因は、ワイドボディ機であった。Ishkaが以前指摘したことがあるように、B777やA330を含む現行技術のワイドボディ機の需要は、短期リース終了の到来、いくつかの航空会社の破綻、また新しい技術の航空機へのシフトにより、パンデミック前からすでに需要が落ち込んでいた。今回のパンデミックはただ単に今回のこの状況を加速させただけであり、リース会社は航空会社の航空機の劇的な変化が起こるであろう渦中の矢面に立たされている。

市場の回復のタイミングがいまだ不確実性が高いことを考えると、将来起こり得る減損は、より早期のリース返却にかかっている可能性が高い。リース会社にとって痛ましいことは、いくつかの大規模な航空会社の再建が、2021年の間にさらに多くの減損処理をもたらすかもしれないことである

Ishka Dublin
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