CIT社の元役員が新たなリースプラットフォームを立ち上げ:Zephyrus Aviation Capital社
CIT Aerospace社を退職した4人の役員が、新たなリース取引プラットフォーム、Zephyrus Aviation Capital(Zephyrus)社を立ち上げた。Zephyrus社のイニシャルポートフォリオは、機齢中期の航空機を中心とした21機で、Virgo Investment Group社が開発した既存のプラットフォームを拡張し、フルサービスレッサー向けとしている。
「混乱を招くようなものにはしたくなかった。金属について理解していないと、機齢が古い航空機はリスクが高くなる。しかし、我々の経験から言うと、そのリスクは軽減することが可能である」とCIT Aerospace社の前CCO(最高マーケティング責任者)で、Zephyrus社の共同創業者かつCEO(最高責任者)を務めるDamon D'Agostino氏は話す。
Virgo社と同社の経営陣はZephyrus社と提携し、Seabury社もポートフォリオの取得に関するアドバイスを行い、Zephyrus社の少数株主になっている。
Zephyrus社のその他のメンバーは、CIT社の前代表取締役で現在はZephyrus社の非常勤会長を務めるTony Diaz氏、CIT社の前マーケティング戦略および資産売却担当役員で現在はZephyrus社のCCOを務めるRobert Meade氏、CIT社の前マーケティングおよびセールス担当副社長で現在はZephyrus社の副社長を務めるRichard Genge氏となっている。
過去にはMaverick Aviation社の名称が使用されていたが、ギリシャの西風の神(the Greek god of the west wind)にちなんでZephyrus社に変更した。
Zephyrus社が「合理的」と考える機齢中期から後期の航空機
2017年にCIT社がAvolon社に売却されたとき、CIT社の経験豊富なチームは自身に問いかけていた。「次はどうなる?市場はどこに向かうのか?新しい航空機の需要はないと感じていたが、機齢中期から後期の航空機の収益は新しい会社にとって合理的に感じた」とD'Agostino氏は話す。
「金属について理解していないと、古い航空機はリスクが高くなる。しかし、我々の経験や専門知識を生かして金属を積極的に管理することにより、航空機の耐用年数を通じてこのリスクを軽減することができる」とD'Agostino氏は加える。
Zephyrus社が注力するのはナローボディ機からワイドボディ機まで幅広い。しかし、同社が積極的に購入しているのは、耐用年数が第3四半期から第4四半期に入り、パートアウトおよび取引ベースの出口戦略を有する航空機(リース残期間が1年以上)である。
Virgo Investment Group社(サンフランシスコに拠点を置くプライベートエクイティ企業)は支配株主で、Seabury社は少数株主となっている。数機の航空機を自社保有するVirgo社も、同事業への参入を検討していた。「我々は三頭体制である」とD'Agostino氏と話す。
Seabury社は、2017年9月に開始した航空機購入に関するアドバイスを行っている。
ポートフォリオは今後18カ月で60~75機に増える見込み。
現在、Zephyrus社は航空機の更新を進めているところである。ポートフォリオは18機のナローボディ機(大多数はA319、A320、A321で、その他はボーイング737-700と737-800)と、3機のA330-200で構成されている。「CIT社はA330を最も多く保有するレッサーの1つだったため、我々は同機に関する長い経験を有している。その点は幸運だった」とD'Agostino氏は話す。広い営業基盤があり、輸送コストも低く抑えられるため、Zephyrus社は小型のワイドボディ機を好んでいる。
「今後12~18カ月の間にポートフォリオを60~75機に増加する予定であるが、計画的に実施する。我々のアプローチは積極的かつ忍耐を必要とするものであり、取引を行う合理的な理由がなければならない」とD'Agostino氏は話し、セール&リースバックを通じて数機購入する可能性があると付け加えた。
Zephyrus社は、この機齢の航空機で予想される範囲内にリース料率を設定すると思われるが、リスクが高いため、1%を超えるだろう。
Ishkaの見解
前CIT社のチームは、機齢後期の航空機を扱ううえで重要な経験を豊富に有している。現在は他のレッサーも精通している機齢中期や後期の航空機に、Zephyrus社は好機を見出した。これまで新しい航空機に注力してきたリース会社も、機齢中期の市場に参入してきている。例えば、発注済みの自社航空機を有するALC社も、機齢中期の航空機が同社のビジネスモデルの主要な部分となり、ABS(資産担保証券)市場を活用して機齢が古いフリートの管理を行う方向に進むと話している。
Zephyrus社のプラットフォームは主にナローボディ機に注力しているが、CIT社時代に培ったA330の経験も活用している。21機のプラットフォームは18カ月以内に75機まで拡大する計画となっているが、機齢中期から後期の分野に参入する投資家も増加しており、機齢が古い航空機の価格が上昇している。Zephyrus社は、競争が激化する中でポートフォリオの拡大を進めなければならない可能性もある。
注:本記事は英語にて発行されており、日本語翻訳はあくまで参照です。
この日本語版は、読者のご理解の参考までに作成したものであり、英語版記事の補助的なものです。あくまで英語版が(正)となります旨、ご了承ください。
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