03/01/2020

Thomas Cook破産:リース航空機の65%が転貸

Thomas Cook bankruptcy: 65% of leased aircraft redeployed

Thomas Cook UKおよびBalearicsの保有機である3分の2は、既に、新たなレッシーに転貸されたか、もしくはドイツおよびスカンジナビアの存続子会社に移転された。

Thomas Cookの破産から3ヶ月、Ishkaは少なくとも17機  (全てA321ceo) が新たなレッシーAir Transat、Jet2、VietJet AirおよびTurkish Airlinesに転貸済みであることを確認した。A330-200 2機を含むさらなる8機はCondorとSunclassに転貸された一方、Thomas CookUK保有機の中で最も機齢が高いA321の2機は、両機とも2000年製造の中古機であり、貨物機への改修が予定されている。

しかしながら、Thomas Cookの元機材に対する市場の需要は一様ではない。格納中の15機(Ishkaは新たなレッシーまたは新オーナーをまだ特定できてはいない)のうち6機は18年ビンテージのA330であり、現市場では飽和状態になっている。(過去のリポート「リマーケ担当者はA330リース費の急落を認める」を参照)

 

以下のレポートでは、Thomas Cookの破産によって影響を受けた41機の今後を検証する。

リストのダウンロードはこちら

https://www.ishkaglobal.com/News/Article/6114/Thomas-Cook-bankruptcy-65-of-leased-aircraft-redeployed

A321機齢による乖離

 Thomas Cookの破産によって残されたA321ceoの機齢は単なる数字以上のものである。

転貸された17機は全て機齢6.5年未満であり、一方、格納中の9機は平均機齢13.5年である。

転貸された17機のうち、6機(Air Lease Corporation(ALC)が全機を所有・管理)はAir Transatにリースされた。当該航空会社は、Thomas Cookとの間で、多数のA321を冬季に毎年サブリースする契約を締結していたが、この契約は現在無効である。ALCは、2019年11月18日にAir Transatとのリース契約を発表し、Air Transatを「新規の航空会社顧客」と発表した。

Jet2社は、現在まで全てボーイング社製の保有機で運航してきたが、今後数カ月間で、少なくとも5機のA321(ALCの2機、Aviation Capital Groupの2機、およびAvolonの1機)をリースする予定である。A321の全機の一部はマンチェスター空港を拠点にする予定で、同空港においてJet2はThomas Cookによって空きができた発着枠を獲得した。Turkish Airlines に転貸される3機のA321は、ICBCの航空機である。一方、VietJet Airに転貸される別の3機A321はICBC(1機)とAvation(2機)である。格納中の9機のA321うち、ラシャム飛行場およびニューキー空港に格納中の5機は、ACGが所有・管理している航空機のようだ。

 

機齢がより高い2機のA321(MSN1238とMSN1250は両機ともBabcock & Brown Aircraft Management(BBAM)が管理している)は、シンガポールのセレター空港に所在するST Engineeringの施設で改修の予定をIshkaはレッサーより確認している。BBAMと某航空会社は、2019年6月のパリ航空ショーで、A321の P2F改修の貨物機に関する契約の同意書に署名済みである。また、ST EngineeringとAirbusのジョイントベンチャーElbe Flugzeugwerke (EFW)とも契約の同意書を結んでいる。そのうちの1機(MSN1238)はセレター空港へ空輸済み。

 

A330複数機が格納へ

 Thomas Cookの破産により、6機のA330(5機のA330-200と1機のA330-300)が格納されている。後者はデンマークで登録された、Sunclassが運航中の機体としてFlighttradar24によって特定された航空機であるが、前者のThomas Cook Scandinaviaの機材は9月以来マンチェスター空港に駐機されている。機材の登録所有者は、Thomas Cook Northern Europe(TCNE)のリース子会社であるTCNE Aircraft Leasing ABとなっている。

格納中のA330-200 5機のうち3機は「航空会社による運航、貨物機への改修もしくは部品取りに適した状態でのパートアウト」用として即時に販売することが可能となっている。IBAが単独の指定代理店としてマンデートされており、関心度をはかるために12月18日を期限に設定した。

残りの2機のA330-200は、ALCの機齢10年の機体(米国テキサス州のアマリロ空港に格納中)とACGの機齢19年の機体(ニューキー空港に格納中)である。

 

Ishkaの見解

 レッサーらは、Thomas Cookの航空機がGermaniaやWOW Air機材と同様に、数ヵ月で市場に再投入されるということを確証してみせた。特にA330の場合、現状は一様に肯定的ではないが、Thomas Cookの破産経験から、中古航空機市場は依然として流動性が高いことが継続していることの表れである。VietJetに転貸されたICBCのA321(MSN6526)などの迅速な転貸は、MRO(航空機整備)が多忙な冬季期間中に行われただけに特に印象的である。

Thomas Cookの破産は、現在はSunclass Airlinesに改称されたスカンジナビア子会社の継続的な運航がなければA330の中古市場へさらに悪い影響を与える恐れがあった(「インサイト-「注目の航空会社 >ノルウェーの航空会社は中国のジョイントベンチャーを受け入れて、Thomas Cookの子会社は買い手を発見」を参照)。Sunclassはリース8機のA321-200と5機のA330(3機のA330-200および2機のA330-300)の運航を継続している。その3機のA330-200のうち2機(MSN948およびMSN967)が、Thomas CookのUKからSunclassに移管された。

注:本記事は英語にて発行されており、日本語翻訳はあくまで参照です。この日本語版は、読者のご理解の参考までに作成したものであり、英語版記事の補助的なものです。あくまで英語版が(正)となります旨、ご了承ください。

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