06/04/2021

アイルランドレッサー Genesis CEOが航空会社の設立支援理由を語る

Irish lessor Genesis CEO on why his firm is helping build an airline

注:本記事は英語にて発行されており、日本語翻訳はあくまで参照です。

この日本語版は、読者のご理解の参考までに作成したものであり、英語版記事の補助的なものであるため、英語版が(正)となります旨、ご了承ください。

ダブリンを拠点とするレッサーGenesisは、チャーター便需要が戻ったときのリース機ニーズに備えておくため、チャーターとACMI(Aircraft, Crew, Maintenance and Insurance)航空会社を支援することで慌ただしい2020年を送った。

同社は、メンテナンス施設、航空機取引およびリースに関与する投資グループであるHeston Aviationと提携し、新しいリトアニアのチャーターおよびACMIサービスプロバイダーとなるHeston Airlinesを設立した。ACMIリースは、二つの航空会社間のウェットリース契約であり、1つの航空会社が航空機、乗務員、保守整備、保険をレッシーに提供する。レッシーは、通常、運航ブロック時間数で支払いを行う。

Genesisは、2000年から2006年のビンテージA320型3機を航空会社に提供する計画がある。同社CEO Karl Griffin氏がIshkaに話したところでは、新型コロナ以前から、同社はチャーター市場に注目していたと説明。昨年の危機真っ只中に、独自のプラットフォームを設立する可能性を模索し続け、最終的にHestonAviationとチームを組んだ。「我々が、HestonAviationのチームに会ったとき、彼らは非常に我々と同じ志を持っていると感じました。彼らも同様のことを計画していました。そこで我々は、協業し航空機を市場に投入するためのプラットフォームを構築する機会を探るためコロナ禍の日々を一緒に過ごし考えました。」

HestonAviationとの契約条件に基づき、Genesisは、グリーンタイム航空機を使用し、ブロック時間数を基にしたいくつかの“柔軟な”リース条件を“ハイブリッドタイプ”リースとして提供する。

「オペレーティングリースの締結には常にリスクを伴いますが、この種の取り決めは短期、中期、長期的に柔軟に行うことが出来、またウェットリースからドライリースに変更できる可能性さえあります。」

「これは、PBH契約以上のものです。我々が持っている航空機のグリーンタイムを利用することができます。例えば、ある航空会社がHestonAirlinesに来て、『3カ月または6カ月の仕事が入りました』と、尋ねたとしましょう。HestonAirlinesとツアーオペレーターもしくはチャーターオペレーターとの間でACMI契約を結びます。そして、彼らは完璧にウェットリースされた航空機を利用することが可能となります。さらに、その航空機をより長期のドライリースに変更したい場合でも、我々は顧客が利用することのできるオプションを持ち合わせています。」

ツアーオペレーターとチャーター市場は、パンデミックが発生する前である2019年に弱体化の兆候を示した。Germania, Aigle Azur, トーマスクックなどのメジャーな会社が破綻し、市場に“ギャップ”を残した。Griffin氏は、ACMI市場の参入障壁は低いため、最初の景気回復の新たな芽であるとコメントを加えた。IshkaはHestonAirlinesがツアーオペレーターと活発な交渉を行っていることを認識しており、同氏は、夏後半の事前予約の“急増”を前向きな兆候として指摘している。

 

SLBとABSの可能性
 

金融サービスおよび投資会社であるBaringsが2014年にAercapからGenesis Funding Limitedの事業を買収して以来、6年間で同社のポートフォリオとプラットフォームの可能性は着実に成長した。

Baringsが事業を買収する以前、Genesis Funding Limitedは2006年に上場企業であったが、2010年3月に最終的にAerCapと合併した。

2014年にBaringsが同社を買収したのは、当初、Baringの管理するファンドが購入した航空機を管理するためであった。

Griffin氏は、2018年にAWAS/DAEから同社に移り、Baringsが管理するファンドとアイルランドのIrleland Strategic Investment Fund(ISIF)からコミットメントされたエクイティを備えた完全なオペレーティングリースプラットフォームを設立した。その後、2019年に同氏はグループのCEOに任命され、会社の人員を増やし、ダブリンSandyfordの新しい拠点へと移った。

現在、同社は、平均機齢が約16.5年となるエアバス、ボーイング機材73機を保有および管理している。

Griffin氏は、直近のリース会社の動向として、若年次世代機をSLB目的に追っているとコメントしたが、同社は単通路型機を広範囲の機齢で狙っていると話した。また、同社は2019年にCitiとウェアハウスファシリティを交渉し、いまだアクセス可能だとコメント。現在、同社はABS市場において活発な活動を行ってはいないが、「今後も研究領域である」とコメントした。

 

グリーンタイムエンジンバイヤーからのより高い関心 

 

Genesisは、安定した航空機バイヤーである。Griffin氏は2020年が航空機取引において大規模な“損失(write off)”であったと認めている。一方で、CFM56B&7B、同様にV2500のグリーンタイムエンジンに提供される入札は“四半期ごとに”わずかではあるも改善されていると述べた。

資産、特に貨物転換に使用するエンジン需要があると、同氏は見ている。この機に便乗するようなバイヤーからではなく、エンジンを実際に必要とするバイヤーが、コロナ禍前のレベルを下回っているものの、入札の質に一役買い、回復の兆しを見せているとコメントした。

 

Ishkaの見解
 

Genesisは、相当急速に拡大し、簿価に記載のある2機の古いA330をパーツアウトし、完全にナローボディを対象とする。同社は、過去3年間でプラットフォームを構築し、技術的およびリマーケティング機能を拡張した。これらのスキルは、現在のような困難な状況下では必須である。

新しいACMIのJVは、レッサーおよびアセットマネージャー向けのクリエイティブなソリューションであり、グリーンタイムの航空機にアクセス可能なダイレクトマーケティングチャネルを提供する。これは、先発者となった者にメリットをもたらすであろう。Griffin氏は、チャーター航空会社が押さえつけられた旅行需要に対応することに役立つと確信しており、航空会社が休眠中の路線を再開するにつれ、Genesisはその潜在的な需要の増加から利益をえることができると思われる。

市場からはみ出した航空機に対して、レッサーからこのようなソリューションがでてくることを弊社は期待する。リース航空機のABS市場がどのように回復していくかを見ることは非常に興味深い。Genesisが次世代型ナローボディSLBに関心を持っていることは、リファイナンス時に、ABS市場を視野に入れるならば、市場にとってより魅力的なポートフォリオを構築するのに役立つ。しかし、弊社は、多くのレッサーが2021年はよりSLB市場に入り込むと思われ、また引き渡し機材数が限られていることを考えると、SLB市場は過熱する可能性が高いと考える。

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